2002年4月お薦め書籍
『コブタの気持ちもわかってよ』 | ||||||||||
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【書 評】 今回のお薦め本も、絶版本である。冒頭からであるから、「またかい!」と云う事でお叱りを受けそうな気がする。しかし、お叱りを受けてもこの本だけは、お薦めをしておこうと思う。 僅か13ページの絵本である。「一体また、どうして?」と云う声が聞こえて来そうである。帯封には、次に様な言葉が書かれている。 「泣きたいときは 泣いてもいいのにね。」 そして、 「大切な人に、大切な自分に贈りたい大人の絵本」 と書いてある。この事がこの本の全てを象徴している。 先ず第1ページを開くと、コブタが蟻を見ている絵が登場して来るが、筆者自身が子供の頃に蟻を見て遊んだ記憶が有るだけに、何か子供の時の自分の様に思えて仕方が無い。 親と子供の極く日常的な事が題材に成っているが、中でもクライマックスは“大切なおもちゃをこわされて怒った時に、お兄ちゃんなんだから我慢しなさい。と言われて、自分の感情が吐き出せない”と云う下りである。 次には、畳み掛けるように“ボクは悲しみを吐き出せない”と云う風に続く。そして、“自分の気持をうまく話せない”となり、“お腹が痛い”となる。正に登校拒否児のプロセスを見ている様である。 3月のお薦め本としてサイトにご紹介をした『原初からの叫び』と併せてお読み戴くと、人間にとって自分自身の生の感情を吐き出すと云う事が、どれ程に大切な事で有るのかと云う事が、否応なしに了解できるはずである。 子育てに関してだけで言っても、小難しい講演を聴いたり、読みにくい本を努力をして読む位であれば、この本を気軽に眺めていた方が余程、為に成ることは請け合いである。 この本の著者は、以前にもこのサイトでお薦めをした、『ブッタとシッタカブッタ』の著者で有り、正統な仏教を基本からキッチリと学んでいる方だけに、その言わんとしている事は、実に的を得ている。 そこで、先月の本に続いて再度お願い事なのだが、この本も「復刊」を期すべく、お手数ではあるが以下のサイトへお出掛けを戴きたい。筆者自身で云えば、もしも、この本が復刊されればスグにでもプレゼントをしたい人は10人は下らない。そして、復刊に協力をされた方々は必ずや、その事を誇りに思えるはずである事を筆者は責任を持ってお約束をしよう。 是非とも、復刊にご協力をお願いしたいものである。 【復刊ドットコム】 『コブタの気持ちもわかってよ』への復刊リクエスト投票 http://www.fukkan.com/vote.php3?no=8767 今時、巷では心身症やら、いろいろと話題が多いが、その原点は此処にこそ有ると云う事が、判然と了解される。学校の先生方を始めとして、今現在、子育て中の親の方をはじめ、人間を自負する方の全ての方々に声を大にしてお勧めをして擱筆とする。 |
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